仕事ってなんだろう。
高学歴女。25歳。
私は、まだ、「働く」という感覚がいまだによくわからない。
大学時代、アルバイトはしていた。
弁当屋と塾の講師と。
弁当屋は、適当だった。弁当屋なのに、弁当の作り方はよくわからず。
4年間やったのにもかかわらず、結局豚肉と牛肉の違いが判らなかった。
レジも、最後まで正確に打て無かった。
塾の講師は、最後まで適当だった。
個別指導だから予習はいらなかったし、ほとんど参考書を解かせて、わからないところを答えを見ながら解説するだけだったから、とても楽だった。
たまに、解説読んでもわからないときがあって、それは、適当にごまかしていた。
プライドも何もなく、ただの自己満足で終わっていた。
大学では、サークルを2つ掛け持ちした。
両方のサークルで会計を務めていた。
しかし、どちらも、事務的な処理が引き継いでもどうにも理解できず、
後輩には、「書類読んどいて」というだけで投げ出して逃げた。
しかも、お金の管理がほぼできず、年度末に書かなければいけない書類は、すべて適当な数字を書いてつじつまを合わせた。
大学のサークルで、合宿の運営を任されていたが、
一向に合宿の流れを頭に入れることができず、指示は行き当たりばったり。
先輩方がやっていたのを、頭の片隅からひっぱり出してきて、なんとなくまねる。
結局は、記憶も完ぺきではないし、何のためにその動作をするのががよく理解できていないから、100%のものは出来っこなくて。
学ぼうと思えば、いくらでも学べる環境も、かなり適当にすごしてしまった。
ゼミだってそう。大学の勉強は、まじめにやれば、きっとスペシャリストとして、何とかやっていけるだけの教育を施してもらった。
しかし、これっぽちも頭に入っていない。
卒業できたのが奇跡である。
むしろ1年くらい卒業できなかったほうがよかったのではないだろうか。
卒論だって、何をやったのか覚えていない。
タイトルと、参考文献にウィキペディアをはっつけて、友人に激怒されたことくらいしか覚えていない。
旅行だって行った。
北海道、沖縄、スペイン×2、シンガポール、香港、台湾。
長野、福島、大阪、奈良・・・
かすかな景色がちらつくだけだ。
何一つ、はっきりと思い出すことはできない。
新卒で、外資メーカーに幹部候補で入った。
いろいろな部署を転々と回され、ちょうど1年たって、戦力外通告を受けてクビになった。
それから留学だ、院だなんだと騒いだけれど、結局再就職を試みた。
実力不足でクビになったのに、それをすっかり忘れて、コンサルやら投資銀行やら難しそうなところを受けまくった。
結局、ベンチャー企業へ就職する。またもや幹部候補生。
始めは何とか頑張っていくも、
自分で考えて行動することに限界を感じ、だんだん会社に行きたくなくなる。
やめたいと騒ぐ。
すべてを放り投げて2週間の休職。
負担の少ない部署に回してもらうも、まったく初めてのことばかりで、
上司の指示がまったく頭に入ってこない。
その結果、自分が何をしているのかわからなくなり、
自己都合退職。
アルバイトを始めるも、
初日をすっぽかす。
家族以外と話すと、もうしどろもどろ。
自分が何を話しているのかさっぱりわからないし、
他人が話していることばがさっぱりわからない。
アルバイトも、大学時代4年間もやったことなのに、0からのスタート。
現在、3か月目に突入するも、まだ慣れない。
頭に入っているはずのメニューも、テンパると抜け漏れが起きる。
バイト中、自分がなにをすべきなのかわからなくなることがしょっちゅう。
手順がわからなくなることがしょっちゅう。
自分が何をしていたのかわからなくなることがしょっちゅう。
いったいどうして。
しかしながら、このままではいけないと思い、派遣会社に登録。
負担の軽い、データ加工の仕事に応募し働き始める。
結局、何をすればよいのかがよくわからないけれど、成果物の絵は描いてくれるし、
体裁とかもあとで上司が整えてくれるから、とっても楽。
この作業、別に私がやらなければ、上司が10分の1の時間でできちゃうんじゃないのってくらい。
やってみたはいいけれど、手順が安定しない。
チェックリストを作っても、チェックの抜け漏れがあって機能しない。
見直しをしようにも、どうやってあっているかチェックするのかわからないから、
結局ミスに気づくのは、上司の指摘があってから。
でもなんで、そのように書いたのかはわからなくて。
自分の一挙手一投足が自分でも制御不可能。
そして、一番自分が嫌だ。
お願いだから、少しは成長しようよ。つえこさん。
明日の自分のために、お願い、今日を真剣に生きて頂戴よ。
と昨日の自分が言っているよ。
そして、何度も言おう。
明日の自分は、何もしてくれないよ。
だって、今そこにいるのは、
昨日の自分の期待をことごとく裏切った、昨日の明日の結果なのだから。
一日、一日、
前に進めよ。
そしたら、少しぐらい景色の違った明日になるんじゃないの。